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言語学のフィールドワークのひとつに、言語資料の収集と記述というものがあります。 調査言語の音や文法のしくみをあきらかにするためには、こうした資料が不可欠です。 その言語が表記のための文字を持たない場合は、その資料のほとんどが録音資料となります。つまり、実際に話者がしゃべっている状況を録音するというわけです。 話者が二人以上いるような場合には会話を録音することもありますし、その方の半生を語っていただくこともあります。 また、そこに暮らす人々の間に伝わる民話を語っていただくという方法もあります。

ここでは、言語資料として収集した民話について、日本語に抄訳したものをご紹介します(書き起こした資料は別途、文法情報つきで別の形で公開していきます)。

民話を語るという作業は、誰にでもできるものではありません。たとえば「桃太郎」の話を、何も見ずにストーリーをもらさず伝えるというのは、じつは非常にむずかしいことなんです。 これは調査地でも同じ状況です。かつては祖父母や両親が語り継いできた民話に子どもが興味をもって耳を傾ける、という光景がみられたそうです。誰もが民話の語り手だったのです。 しかしテレビやマンガ、ゲーム、インターネットなど子どもの興味をひくものが増えてしまった現在、そういった光景は姿を消してしまいました。そうなると、きちんと民話を語ることができる人も姿を消してしまうことになるでしょう。 民話は、単なる言語資料としてのみならず、その民族の文化的遺産としても、何らかの形で遺される必要があるのではないでしょうか。

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